厚労省「喫煙率は19.8%」―女性が知っておきたい喫煙のリスク
Tweet2017年の厚生労働省「国民生活基礎調査」では、成人の喫煙率が19.8%と発表されました。男性では29.1%、女性では9.5%で、2001年度の男性48.4%、女性14.0%から比べると著しい減少傾向にあることがわかります。しかし、女性の世代別でみると20代、30代の喫煙率は10%を超えていることが明らかになりました。
「妊娠・出産」、「がん」、女性の喫煙に潜むリスク
喫煙は男女ともに多くのリスクがありますが、とくに女性にとっては自身の健康を損なうだけでなく、妊娠・出産へも大きな影響を及ぼします。喫煙者の不妊率は、非喫煙者に比べて3~4倍あり、妊娠時も胎児の低体重傾向がみられたり、流産が2倍、早産が1.5倍になるともいわれています。健康面では子宮頸がんのリスクが2~3倍も高くなることや、骨粗しょう症、歯周病などを引き起こすことがわかっています。 美容の観点からもデメリットがあります。喫煙すると肌のはりやツヤが失われ、ほうれい線などのしわが目立つ、いわゆる「タバコ顔」と呼ばれる老けた顔になってしまいます。 このようなリスクは、タバコに含まれる化学成分の影響によって、女性ホルモンが減少したり、血流が悪くなることで引き起こされるのです。
避けたい“受動喫煙”と“サードスモーク”
また、自らの喫煙以外に気を付けたいものとして“受動喫煙”があります。これは本人がタバコを吸わなくても、周囲のタバコの煙を吸い込むことをいいます。タバコの煙の中には約200種類もの有害物質が含まれるといわれ、フィルターを通して吸っている喫煙者よりも、直接煙を吸い込む受動喫煙の方が高リスクになります。 タバコの煙に含まれる有害物質は室内の壁紙やカーテン、喫煙者の衣類にも付着します。このしみついた有害物質が体に及ぼす影響を“サードスモーク”といいます。当然のことながら、こうした環境に妊婦さんや乳幼児が接することは望ましくありません。
禁煙をスタートさせるのは今日からでも遅くない
喫煙は気分転換やストレス解消ではなく中毒であり、実は自らの健康を害しているだけでメリットはないといえます。禁煙をスタートさせるのは今日からでも遅くありません。自分がタバコを吸いたくなるタイミングを見極め、水分補給や歯磨きなどで気分転換をする、喫煙所に近寄らないなど工夫してみるのもよいでしょう。また、どうしても自分の意志だけで禁煙することが難しい場合は禁煙外来などを受診し、医師のアドバイスを受けることも効果的です。