生活習慣病や不妊のリスクも! デメリットだらけの「肥満」を防ぐためには
Tweetカロリー過多な食事内容や住環境の変化による運動量の低下に伴い、いまや「肥満」は現代病のひとつとも言われています。厚生労働省による「平成28年国民健康・栄養調査」では、日本人女性の約2割が肥満であることがわかります。太り過ぎは健康面だけでなく、実は将来の妊娠・出産に関するリスクも大きいことを知っていますか?
肥満の基準と健康な体づくりのためのチェックポイント
そもそも、どのような状態を肥満と言うのでしょうか。一般的な判断基準として、BMI(Body Mass Index)という体格指数が用いられます。BMIは体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))で算出でき、18.5未満はやせ、18.5~25未満が標準、25以上は肥満とされています。身長(m)×身長(m)×21で理想的な体重も算出できるので、まずは今の自分の体格指数と理想体重を知ることが、体づくりの第一歩です。
また、体重だけでなく体脂肪率も、健康で美しい体を目指すために大切なポイント。女性にとって最も理想的な体脂肪率は20~23%だと言われています。標準体重であっても、体脂肪率が高すぎる場合は「隠れ肥満」と呼ばれ、健康上のリスクが高くなるため注意が必要です。定期的な体重計測だけでなく、体脂肪率もチェックするといいでしょう。
肥満が女性特有疾患や不妊のリスクにも
肥満にはさまざまなデメリットがあります。生活習慣病を引き起こしたり、心臓や足腰への負担が大きくなったり、なかには首まわりに脂肪がつくことで睡眠時無呼吸症候群の原因になることも。婦人科疾患である卵巣がんや子宮体がんのリスクも高まるともいわれています。
また、肥満になると血中のインスリン濃度が高くなります。インスリンは血糖値を下げてくれる大切なホルモンですが、別名「肥満ホルモン」などとも呼ばれ、体内であまった糖を脂肪に変えて蓄える働きがあります。甘いものや糖質の取り過ぎでインスリンの過剰分泌が続くと、血糖調節がうまくいかなくなる、男性ホルモンが過剰に分泌される、女性ホルモンのバランスが崩れるといったことが起こります。その結果、無月経や稀発月経などの月経異常や排卵障害を引き起こしやすくなり、不妊のリスクも高くなるのです。将来の妊娠・出産を希望する女性は特に、肥満には注意が必要です。
肥満の予防方法
肥満は日常生活で予防できます。まずは、食生活を見直してみましょう。1日3食を規則正しく食べ、できるだけ多くの種類の食材を摂ることが大切です。インスリンの過剰分泌を防ぐため、GI値(Glycemic Index:食後血糖値の上昇度を示す指標)が低い食品を選び、血糖値が上がりやすい炭水化物(ご飯やパンなどの主食)は最後に、ゆっくりとよく噛んで食べるよう心がけましょう。
適度な運動も、肥満解消の大きなポイントです。意識的に歩くようにすることはもちろん、毎日の家事でもエネルギーを消費することができます。最近は、消費カロリーが計算できるダイエットサポートアプリなどもあるので、利用してみるのも一つの手です。また、睡眠不足も肥満の大敵。短時間睡眠は食欲抑制ホルモンの分泌が減少し、食べすぎを引き起こす可能性があります。理想的な体型を手に入れるため、食事・運動・睡眠を今一度見直してみましょう。