妊娠・出産の時期やライフプランを左右する!あなたの「卵巣年齢」は何歳?
Tweet肌年齢や血管年齢など、実年齢以外のさまざまな部分で年齢を測定することがありますが、なかでも妊娠・出産を希望する女性にとって重要な「卵巣年齢」を知っていますか? 女性の卵子は、母親の胎内にいた頃がもっとも数が多く、生まれた後はどんどん減っていきます。この、卵巣内に残っている卵子の数を表す指標が「卵巣年齢」です。自分の卵巣年齢を知ることで、妊娠する時期の目安がわかります。
卵子は加齢し、質も低下する
男性の精子は、常に精巣で新しく作られます。しかし、女性は一生分の卵子を持って生まれ、新しく作られることはありません。胎内にいた頃は約700万個あった卵子が、出生時には約100万個にまで減り、以降は年齢を重ねるにつれて、そして月経開始後は排卵する度に減っていく一方です。「残っている卵子の数が多い=卵巣年齢が若い」、「少ない=卵巣年齢が高い」と表現します。通常は年齢とともに卵巣年齢も高くなりますが、実年齢と大きく開きがある人も少なくありません。なかには、20代でも卵巣年齢が40代という人も見られます。卵子が減るスピードは個人差が大きく、特にBMI値が低い痩せ型タイプやビタミンD不足、喫煙している女性は、卵子の数が減少傾向にあるため注意が必要です。また、卵子は数が減るだけでなく質も低下していくのが特徴です。
血液検査でわかる「卵巣年齢」
卵巣年齢は、「AMH(アンチミューラリアンホルモン)検査」という血液検査で調べることが可能です。AMHとは発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、この数値から卵巣内にどれくらいの卵子が残っているかを測ることができます。卵巣年齢は若ければ良いかというと、必ずしもそうとは言えません。たとえば、極端に卵巣年齢が若いという結果が出た人は、卵胞の発育が遅く、排卵が起こりにくいため卵巣の中に卵胞が多数溜まってしまう「多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群(PCOS)」の可能性があります。反対に、卵巣年齢が高くても、卵子の質が良ければ妊娠する可能性が十分にあるのです。
卵巣年齢を知って、妊娠・出産など人生設計の判断材料に
AMH検査は、他のホルモン検査と違って月経周期に関係なく、いつでも検査できます。保険適用外のため、一般的には5,000円から1万円程度の場合が多いようですが、クリニックによって費用が異なるので、事前に確認しておくと安心です。卵巣年齢=妊娠しやすさに直結するわけではありませんが、自分の卵巣年齢を知ることで、妊娠する時期の目安や今後のライフプランを考えるためのひとつの判断材料となります。将来妊娠・出産を希望する女性は、一度AMH検査を受けてみましょう。もしも卵巣年齢が高いという結果が出た場合でも、卵子の数は増やせませんが、質を改善することは可能です。栄養バランスの取れた食事や適度な運動、質の良い睡眠をはじめ、パートナー共々禁煙することや冷えない体づくりなど、生活習慣の見直しを意識するとよいでしょう。