健康という安心を手に入れる、婦人科の定期受診
Tweet定期受診と聞いて思い浮かぶものは何でしょうか? 歯科の予防医療はここ数年でかなり一般化してきました。ところが、その他の分野については会社で実施する定期受診のほかはあまり浸透していない日本。婦人科も例外ではありません。しかし、女性の健康を考える時、もう一度見直してほしいことがあります。
婦人科の定期受診を「していない」が8割
日本医療政策機構「働く女性の健康増進に関する調査」(2016)
日本医療政策機構が正社員として働く女性を対象に実施したアンケート調査では、定期的に婦人科を受診していると答えたのはわずか2割で、8割の女性が婦人科の定期受診をしていないと回答しました。理由の上位として上がったのは「健康なので行く必要がない」というものでした。最近、気にかける人が多くなった乳がんもそうですが、子宮頸がんや卵巣がんなど、各種婦人科系のがんをはじめ、子宮筋腫、骨粗鬆症など、体に異変が起こる前に対処できる病気は沢山あります。定期受診をすることで自覚症状がでる前に異常を早期発見できます。
女性の専門は「婦人科」
「明らかな不調がないのに、婦人科を受診することに抵抗がある」という方もいるかもしれません。しかし、歯科と同じように定期受診することで不定愁訴(病気ではないけれど、なんとなく頭が重い、体がだるいなど体調がすぐれないこと)を解消することもできます。例えば、肩こりは貧血が原因となっている場合があります。定期受診によって体の変調をみつけることができれば、一見婦人科とは関係がなさそうな肩こりも、原因を特定し、適切な指導のもとで改善することができるのです。このように、女性には女性の特有の理由で不調が起こっている場合があります。子どもに小児科があるように、まずは「婦人科」に相談する習慣をつけるのもよいでしょう。
病気の治療だけでなく、コンディションを整えることも
最近では、自宅に検査キットを配達してくれ、それを返送すれば検査をして結果を知らせてくれる「検査キット」の流通もはじまっています。時間のない働く女性にとっては、健康管理の選択肢が広がったことになりますが、こうした「検査キット」には、自分で選んだ検査しかできないという欠点があります。病院の受診では、顔色や皮膚の状態、表情といった言葉に表れない部分も含めさまざまな角度から診察が行われます。病院によっては、骨密度の測定や、血液検査を行うこともでき、栄養解析を行うこともできます。病気の治療だけでなく、コンディションを整えることができるのです。虫歯と同じように、症状が現れてからでは治療に時間と費用がかかります。定期受診による予防と早期発見で、健康という安心を手に入れるのはいかがでしょうか。