50年間隠された砂糖の有害性 砂糖は本当に有害?
Tweetカリフォルニア大学の研究チームが、米科学誌「プロス・バイオロジー」に「糖分の摂取と心疾患の因果関係についての研究が遅れたのは、利益を守るために50年前に砂糖協会が糖分摂取の健康リスクについての研究を打ち切ったため」という論文を発表し、物議をかもしています。
WHOが砂糖の摂取量を抑えるように呼びかけ
現在では、WHOが、肥満や虫歯の予防という観点から、糖類の摂取を一日の摂取カロリーの5%未満に抑えるべきだと発表しています。この数値から計算すると、一日の適正な摂取量は成人でだいたい25グラム。糖類という分類では、お米なども含まれますが、WHOが制限を勧めるのはこのうちの単糖類と2糖類のショ糖のみ。
しかし、調味料や加工食品の中にはおよそこれらの要素と結びつかないようなものにまで砂糖が使われているケースもあると注意を呼び掛けています。例えば、ドレッシングや調理済みの惣菜などはなかなか砂糖の量が見えません。ケチャップにも砂糖が含まれるものがありますが、パッケージの成分表がわかりづらい表記になっているものもあり、見落としがちです。糖分は、ブドウ糖や糖蜜、麦芽糖、コーンシュガー、果糖ぶどう糖液糖などと表記されているので、注意して見てみましょう。
砂糖は本当に有害なのか
しかし、今回の論文によって「砂糖の有害性」という言葉がセンセーショナルにとりざたされましたが、“砂糖が有害”なのではなく、“砂糖の摂りすぎ”に注意が必要なのです。砂糖の中でも黒砂糖はサトウキビから作られており、上白糖に比べるとミネラルが多く含まれます。
また、てんさい糖はてん菜という植物から作られ、オリゴ糖がふくまれています。ミネラルは体を整え、オリゴ糖は腸内の善玉菌を育てるもの。ひとくちに砂糖といっても選び方や摂取量に気を付ければ有害なものではありません。砂糖にかぎらず、どんな食べ物でも過剰摂取は健康のリスクとなりかねません。正しい知識を身につけ、内側から美しく健康な体を作っていきたいですね。
参考
公益社団法人 日本WHO協会