「梅毒」感染者が44年ぶりに5,000人を超える
Tweet近年、「梅毒」の感染者が増えています。日本では梅毒は感染した場合、国に報告が義務づけられている性感染症の一つです。主な感染経路は他人の粘膜や皮膚との直接接触によるものが多く、性交渉はその大きな感染経路と考えられています。この梅毒が若い女性たちに広がっているというのです。
女性の感染報告が倍増
国立感染研究所によると、2017年の梅毒の感染者は5,053人。国内の感染者が5,000人を超えるのは1969年以来、じつに44年ぶりです。日本では、1948年以降、患者報告数は減少していましたが、2010年以降は増加に転じており、女性の報告が倍増。「特に10~20 代での増加が目立った」との報告が上がっています。
出展「年齢分布:2016年第3四半期から2017年第3四半期(四半期毎)」国立感染研究所初期症状としては、病原菌に接触した場所にしこりができたり、足の付け根の部分にあるリンパ節が腫れるなどの症状が見られます。しかし、痛みがないこともあり、感染に気付かない場合もあります。感染から数週間から半年ほどすると、血行性で全身に毒素が回り、皮膚などに発疹が現れます。梅毒の注意すべき点は自覚症状がないまま病原体を保菌している期間があることです。その期間でも性的な交渉を持てば、相手に移すことになってしまいます。梅毒は「梅毒トレポネーマ」という病原体による感染症ですが、性交渉のみならず妊婦が感染すると胎盤を通じて胎児に感染し先天梅毒となり、死産や早産、または赤ちゃんに何らかの奇形を起こすこともあります。
梅毒に罹らないためには
梅毒の感染の原因となるものは、精液、膣分泌液、血液、浸出液などが、粘膜(性器、肛門、口など)や傷口に直接接触することで感染します。そのため、性交渉を持つ際には、必ずコンドームを使用し粘膜の直接の接触を避けるようにしましょう。また、複数の相手と性的接触を持つことも感染のリスクを高めます。
もし梅毒の感染について検査を受けたい時は、男性は泌尿器科、女性は婦人科で診察を受けることができます。万が一感染していても、医師の指導のもと適切な治療を行い完治することができます。ただし、必ずパートナーにも検査を受けてもらい、一緒に治療することが大切です。梅毒は一度完治しても再び感染する可能性があります。正しい知識をもって自分の体を守っていきたいですね。