妊娠中でも検診が可能! 乳腺エコー(超音波検査)で乳がんチェック
Tweet日々の中で、「乳がん」をいう病名を聞く機会が増えていませんか? ニュースや新聞などで知ることもあれば、友人や知人から経験談を聞いたという方もいらっしゃるのではないでしょうか? 国立がん研究センターの統計によると1980年代以降、乳がんは増加傾向にあり、現在の罹患者数は3倍以上に増えています。また、厚生労働省の発表では30~60代女性の死亡原因のトップは乳がんともなっています。乳がんは私たちにとって、もはや特別な病気ではなく、誰にでもリスクのあるがんとなりました。毎月のセルフチェックと二年に一度の定期検診は必ず受けたいものですが、妊娠中の検診はどうすればよいのでしょうか?
早期に自覚症状が少ない乳がん
乳房は母乳を作る多くの乳腺でできています。この乳腺にできる悪性腫瘍が乳がんです。早期では直る可能性が高いにもかかわらず、自覚症状があまりみられません。がんが進行すると、乳房にしこりができたり、乳頭や乳輪の湿疹やただれがみられるほか、乳頭から分泌物がでる場合もあります。また乳房の様子が変化するだけでなく、体の内部で、リンパ節や骨、臓器になどに転移することもあります。原因として、女性ホルモンのエストロゲンに影響を受けていることがわかっていて、月経の開始時期や閉経時期、出産経験の有無や授乳歴、また家族歴などもがんを発見するための必要な確認事項です。検診では、問診と触診を行い、乳腺エコー(超音波検査)やマンモグラフィー検査を経て必要があれば精密検査が行われます。自覚症状が少ない早期にがんを発見するためには定期的な検診を受け自分の乳房の状態を知っておくことが必要なのです。
妊娠中でも受けられる乳がん検診
妊娠中は乳腺が発達しているため、触診ではがんを発見することが難しくなります。また、マンモグラフィーによるレントゲン検査も受けられません。しかし、乳腺エコー(超音波検査)であれば、妊娠中でもお腹の赤ちゃんに影響を与えることなく、安全に乳がん検診を受けることができます。乳腺エコー(超音波検査)は、乳房に超音波をあて反射波を画像に映し出して乳房の内部を確認する検査方法です。乳房に専用のジェルを塗り、センサーをあてて確認していきます。マンモグラフィーのような放射線被ばくがなく、痛みもないことからも、妊娠中の乳がん検診には適しています。しかし、乳腺の発達が進むと乳がんを見つけづらくなってしまうため、妊娠14週頃までに検査を受けるのがよいでしょう。
妊娠・授乳中に高まる乳がんのリスク
残念ながら、妊娠期、授乳期の乳がんは、妊娠していない場合に比べてリスクが高くなることがわかっています。妊娠中であっても安全な方法で検診を受けることをおすすめします。とくに、乳がんのリスクが高まる35歳以上の方や乳がんの家族歴がある方は、妊娠中であっても検診を受けましょう。もし妊娠中に乳がんの罹患がわかっても、妊娠を継続しながら、治療を行うこともできます。晩産化が進む日本では、乳がんの罹患率が上がる30~40代での出産が増えています。お腹の中の赤ちゃんのことだけではなく、お母さん自身の健康リスクが高くなる年代であることも忘れずにいてください。検診を受けることは心身の安心につながり、穏やかな妊娠生活を助けるものになります。お母さんご自身の健康が、大切な赤ちゃんの将来的を守ることを忘れないようにしましょう。